JICA訓練生としてこれから訓練に臨む方必見。
JICA訓練生として70日間の訓練を受けるにあたり、切っても切れないのが講座や訓練以外の+αの活動。いかに+αの活動に取組むかが訓練の充実度を左右すると言っても過言ではありません。
+αの活動を行うための条件や各活動の特徴などを事前に知ることで、少しでも訓練生活を充実させてほしいと思います。
+αの活動を行うための唯一の条件とは?
さて、JICA訓練生として訓練をする目標とは、「語学力の向上」「共同生活を通しての学び」「任国での活動を行う準備」などが挙げられます。こう言った事を達成するためには+αの活動をする方が良いともとまさは考えます。様々なことに挑戦する機会や人と出逢う機会が明らかに異なります。そして、その+αの活動を行うために唯一の条件があります。
1.語学担当から肩を叩かれない
この訓練のメインと言えば語学力向上です。特に非英語圏の方はここで初めて言語を学ぶという方も多く、この70日間が任務の善し悪しを左右すると言っても過言ではありません。また、英語圏の方は非英語圏と比較して最低限話せることが最初から求められています。ということで、語学学習の余裕が無い方、事前課題の内容を習得できていない方についてはスタッフから「+α」の活動を行わないように訓練開始直後に注意されます。色んな事にチャレンジして訓練を充実させたい人は、訓練開始までに準備をしっかり進めるようにして下さい。
どんな+αの活動ができるの?
+αの活動も色んな種類のものがあります。ここでは概要を、その後詳細の説明を行います。それでは、1次隊を例に見ていきましょう。
1.委員会活動(班長、副班長、野外訓練委員、講座委員、体育委員、図書委員、ラジオ委員、宅急便委員)
2.当番(全体日直、食事当番)
3.各種講座のリーダー等(野外訓練、所外活動、BafaBafa、語学クラス、派遣国)
4.自主講座(訓練生主催、スタッフ主催、外部主催)
5.各種イベント参加(さくらウォーク、1日体験ボランティア、福島復興イベント、高校生との食事会)
6.その他(アルバム作成、前夜祭、音楽担当、外出・外泊、体育大会、サッカー大会、バドミントン、謝辞)
委員会活動
入所直後に班内で各委員会を決める。重複して参加することは不可。
1.班長、副班長
各班に1人ずつ設けます。また、異性がこの2つを担当することとなります。(例:班長⇒男、副班長⇒女/班長⇒女、副班長⇒男) やはり、班の雰囲気というものは班長の雰囲気に大きく左右されると思います。業務内容としては朝の人員報告(大声で叫ぶw)、班をまとめる、班内の意見吸い上げ⇒班長会議で提議、班長会議の討議内容・連絡事項の伝達など。副班長は講座アンケート等毎朝提出、班長補佐が挙げられます。一番大きなイベントとしては、班長会議の中から修了式での謝辞を読む人を決めるということ。人をまとめることは大変だけど、そういった経験をしたい方は是非!!
2.野外訓練委員
訓練中盤を過ぎた頃に野外訓練があります。それを主体的に企画・運営を行うのが野外訓練委員。訓練中盤で役目を終了するため最終試験まで影響をすることはありませんが、かなり大変そうではありました。その分学びや遣り甲斐も大きい。これは偶然だと思いますが、野外訓練委員長が修了式で贈呈品の受取りを行っていました。
3.講座委員
訓練中盤を過ぎた頃に講座委員主催の講義があります。その講義を企画・運営を行うのが講座委員のメイン業務。また、各外部の講師紹介を授業の最初に行うという役割もありました。こちらも訓練中盤で役目を終了するため最終試験まで影響することはないようです。今隊次の講座委員長は講座委員主催の講義終了後、泣き崩れるほど遣り甲斐があったようです。貴重な経験!!こちらも偶然だと思いますが、講座委員長が修了式で贈呈品の受取りを行っていました。
4.体育委員
毎朝のラジオ体操、体育館使用時の朝のアクティビティの提供、体力測定の進行が主な業務です。雨天時は外でのランニングができないため、20分程度体を動かすアクティビティを考え、進行していく必要があります。また、体育委員が主催となり体育大会を自主的に企画・運営していました。今隊次の体育委員はとても仲が良かったらしく、最終日に体育委員長が号泣していました。+αの活動の醍醐味!
5.図書委員
訓練所には図書館があるため、その管理を行っているようでした。他の委員会活動と比較して拘束時間や負担は少ないようです。ただ、他の委員会と比較して他の訓練生と一緒に何かを進めるという機会は少ないようなので、一緒に何かを進める機会を求めているのであれば違うかなと思います。逆に、人と何かをするのは負担になる、本が好き、あまり委員会に時間を取られたくないという方には良いかもしれません。
6.ラジオ委員
二本松市で流れるラジオを2回分作ることができます。自分たちで1から企画・作成できるため遣り甲斐はあると思いま。そういった何かを作り出すことが好きな人には向いていると思います。こちらも遣り甲斐がある分、負担は大きいようです。特にPC作業、編集作業を苦手としている人には難しいかもしれません。逆に、学びたい!という意欲のある方は是非チャレンジしてください。作成したラジオは他の訓練生も聞く機会があります。
7.宅急便委員
こちらは訓練終盤に突如現れました。訓練終了直前に訓練生が荷物を送るのですが、郵便局も個別対応が難しいため、一括して送るために調整をするための委員会です。訓練終盤に決定したため、今までに委員会活動をしていなかったが、語学等も少し余裕があるのでお手伝いできますよという方が参加されていました。それほど負担は大きくないですが、最終試験前後に委員会があるため語学に余裕がない方は避けた方が良いと思います。
当番
1.全体日直
各班から5名選出し、隔週で日直業務を行うというものです。人数の関係上、委員会活動と重複している人も居ました。朝6時半~夕方5時頃まで全員に訓練が課せられていますが、全体日直は朝6時、夜17時、19時、23時前にそれぞれすべきことがありました。活動は1週間だけなのでそれほど大きな負担とはなりませんが、いつもより睡眠時間の確保が難しくなったりする可能性はあります。特にテストの前後に日直業務が当たっている人は少し大変だと思います。しかし、全体日直を通して仲良くなっている人は沢山いました。因みに、全体日直の中にも3つの役割がありました。
①全体指揮
1人が前に出て指揮を行います。人前に出るのが嫌な人は③旗係を勧めますが、特に苦でない人は朝6時と夜23時前の拘束しかないため時間的拘束は少なめでオススメ。
②報告係
毎日見回りを行う③旗係から報告を受け、毎朝前に出て、見回り状況の報告を行います。人前に立つのが嫌な人は避けた方が良いかもしれません。こちらも朝6時と夜23時前の拘束しかありませんでした。
③旗係
毎朝国旗掲揚を行うときにハンドルを回して掲揚する係。人前に立って話すということがないため、苦手な人にはオススメ。ただし、①全体指揮、②報告係と比較すると雑務が多い。朝6時、夜23時前に加え、新聞の交換、夕方17時、夜19時 or 夜22時に人員確認をするなどの役割が課せられています。1週間だけなので他の委員会と比較してそれほど大変ではない。
2.食事当番
各班より朝・昼・夜の食事当番を5名ずつ選出。食事後皿洗いを行う。こちらも1週間ずつの交代であり、食後の10-20分程度の拘束に過ぎないため他の活動と比較して負担は少ない。ただし、誰かとコミュニケーションを取る機会として不十分。他の委員会をする余裕はないが、班に貢献したい人には是非取り組んでいただきたい。因みに、班から最大15名程度選出するためほぼ全員が取り組むこととなる。1人が2回やっても構わないためその辺りは臨機応変に。因みにテスト当日の朝・昼は当番免除。
各講座のリーダー等
各講座や訓練でリーダーを決める機会があります。基本的には講義内だけで任務が完結するためそれほど負担とはならないと思います。今まで人前で仕切ったり、引っ張る機会はなかったけど、少しチャレンジしてみたい。でも、班長や全体日直はまだ早いかな…という人にオススメ。
1.野外訓練
野外訓練が行われる際に各班のリーダーを決めます。それほど大きな役割はなく全員と情報共有をしたり、少しまとめるというもの。2日間に及ぶ野外訓練でリーダー体験ができるので、気楽に取組める。
2.所外活動
地元住民の方のお手伝いをする機会が2回あり、各施設毎にリーダーを決めておくというもの。こちらはほとんどすることがないため、気楽にリーダーをしていただきたい。1,2度集まって注意事項を聞き、それを班員へ伝達する程度なので負担自体もほぼない。
3.BafaBafa
BafaBafaという講義があり、リーダーが選出される。これは、立候補制ではなく、スタッフの推薦等にて決まるため、選ばれた際は義務としてしなければならない。2017年度1次隊は188名中18名が選出されていた。この講義は雰囲気作りが重要であり、その任務を達成しうる人物を選考するため、選ばれた際は積極的に取り組んでほしい。
4.語学クラス
語学クラスリーダーもそれほど活動内容が多いわけではないが、非英語圏では語学交流会とアウトドアレッスン+雑務、英語圏ではアウトドアレッスン+雑務が振られる可能性がある。場合によってはアウトドアレッスンの予定表を作成したりする可能性もあり、語学交流会では語学リーダーが交流会に来るお客様を迎えに行くなどの役が課せられる。クラスのメンバー構成によって役割の大小が異なる。
5.派遣国
国別リーダーは国毎に集まって何かをするときにはリーダーとして活動を行う。委員会と比較して訓練中はそれほど負担は大きくないが、国のリーダーとして2年間活動を行うため、多少なりとも国の雰囲気に影響を与える可能性がある。最も重要な役割としては特別行事での代表として、短い時間ではあるが天皇陛下もしくは皇太子殿下と話を行うことである。これを目当てに国リーダーになる人も多い(笑)
自主講座
自主講座には大きくわけて3種類ある。1.訓練生自らが行うもの。2.訓練所スタッフが訓練生の要望により行うもの。3.外部の講師が行うもの。運営側、参加側として関わることが可能であり、自主講座を通して友達を作っている人は沢山居たと思う。もし仲良くなりたい人が自主講座をしていれば是非参加してほしい(笑)
因みに、もとまさはほとんど自主講座に参加することはなかったので詳しい内容は他のブログにお譲りする。
各種イベント参加
時期により、地域のお祭りボランティア、福島の現状を知るためのスタディーツアー、高校生やJICA応募を考えている一般の方との食事会、またJICAを応援して下さっている地元の方との交流イベントなどがある。一般の方との食事会は訓練生同士というよりは、これから国際協力やJICAに興味がある方に訓練生という立場からアドバイスをしたり一緒に話をするボランティアであり、訓練生同士の交流を目的としているものではない。一方、地域のボランティアやイベント参加は、地元の方との交流を図るイベントであり、任国へ行く前に日本でボランティアをする機会としてのラストチャンスである。
その他
その他、自主的に何かを企画・運営することが可能である。
先ほど述べた通り、「体育委員」が運動会を催したようなものである。2017年度1次隊ではほかにもいくつか大きなイベントがあったため紹介したい。
1.アルバム委員
卒業アルバムを作りたいということで有志が集まってのアルバム委員が結成された。ここに集まった12名が中心となり冊子やDVDを作成してくれた。感謝である。途中、個人情報の扱いや全員から承諾書を取るなどかなり大変そうであったが、強いリーダーシップを持った人が中心となり取り組んでくれた。班長会議に出席するなど精力的に活動を行っていた。有志であったため、より遣り甲斐があっただろうと察する。
2.前夜祭実行委員
こちらも有志・推薦により前夜祭を行うために18名が集まった。テスト直前から企画を行ったためかなり大変な部分もあったが、全員が各々の強みを活かして、隊員の8-9割程度が参加する大規模な会を催すことができた。訓練終盤であったため、お互いの特性を熟知しており、そういった意味で効率よくメンバーを集めることができていたようだ。スライドショーや飾り付け、展示、チーム対抗戦、踊り・ダンス、ウクレレパフォーマンス、合唱、青年の主張など大いに盛り上がった。
3.音楽担当
毎週水曜日に隊歌の練習を行う。スタッフ推薦かと思うが、数名の隊員が中心となり全員で隊歌の練習を行っていた。その中の2人が修了式で指揮、伴奏等も行っていた。また、壮行会でも指揮、伴奏、合唱等があった。これは音楽担当者から自発的に企画・提案を行ったことにより実現したものであり、+αの醍醐味だなと思う。
4.外出・外泊
訓練生同士で飲みに行き語り合う、一緒に二本松市観光、東北観光、土曜日から日曜日にかけての外泊は心と体のリフレッシュ、そして隊員同志の距離を縮めるのに最高の機会である。これからの長い人生の友人として、途上国で活動をする同志として、互いを知るためにも語学の準備を計画的に進め、充実した自由時間、休日を過ごしてほしい。因みに水、土、日曜日の門限が22時であるため、この3日のみ現実的に外出可能。その他の日は門限が19時であるため、外出可能だが飲みに行くなどは基本不可能。
5.サッカー大会、バドミントン等スポーツ
体育館があるため、自由時間には運動をすることができる。もとまさも週に2-5回程度バドミントンを行っていた。こういった運動を通してかなり多くの友人ができたため、文武両道できるようにタイムマネジメントを行ってほしい。また、サッカー部は語学講師との交流も兼ねてサッカーの試合を何度か企画していた。その他、規模は大きくないがジムも用意されておりジム仲間を作ることも可能である。
まとめ
以上、思いつく+αの活動を紹介した。授業や班生活を通して仲間ができることは確かであるが、限られた70日という短い時間で色んな人と知り合うためには自身がいかに積極的に動けるかが非常に重要である。日本全国から様々な想いと経験を持った人たちが集まっているので、この機会を最大限に活かしてほしい。やはり、知り合いが多いと毎日が楽しい。違いを受け入れてくれる人が集まっているので、人見知りだとしても少しだけ積極的に話かけるだけで、今までとは全く違った生活になるだろう。みなさんの訓練生活が+αの活動により、より充実したものとなることを切に願っている。