アフリカの実情!賄賂警察&空港職員?何が正義だ in モザンビーク!


こんにちはもとまさです。

 

モザンビークへ来てからまだ1ヶ月。まだまだモザンビーク歴は浅いですが、毎日色々と経験をしています。今回は空港で賄賂請求された話と、警察官にお金を奪われた知人の話をしようと思います。

 

賄賂請求の教科書(笑) in マプト空港

さて、2017年8月10日から任地のザンベジア州ケリマネへ赴任するためにマプト空港でチェックインを終えた直後の出来事です。

午前10時頃、チェックインの手続きは順調に終了し、手荷物検査場へ向かおうとテクテク歩いているとモザンビーク人の女性警官が寄ってきました。「あなた荷物を預けたわよね?空港職員が預入荷物について確認したいことがあるようなのでカウンター裏まで行ってください。」

 

嫌な予感はしたものの、まだ何も起きていないのに警官の申し出を断る権利はない。抵抗すれば余計面倒になりそうだということで女性警官に同行され、カウンター裏の預入荷物検査場へ連れて行かれます。4、5人の空港職員が待ち構えておりその前にもとまさの荷物がぽつんと置かれています。

「この中に何が入っていますか?」まだ30過ぎぐらいの女性職員が質問をしてくる。

特にやましいものを持っていないので普通に(塩)対応。「服と、醤油と、油のソースと…」と答えるもののポルトガルが流暢ではないので醤油やごま油の説明に手こずる。「そもそも何入れたっけ?」と思い出しながらの受答え。すると、待ってましたとばかりに「ん?何それ?油?何のために油なんか持ち込もうとしているの?」と雰囲気を変えて質問をしてくる。

「ごま油」をポルトガル語でなんていうかなんて知らないよ!と思いながらも「料理用の油で豆から作られている…」と知っている単語で頑張って説明を試みます。が、そんなことで「そうなの。OK」と言う筈もない空港職員。しかも、奥の方で機械をいじりながら別の職員が「私はそうは思わないわ。(ドヤ顔)」とか言い出す始末。

 

あんたが違うと思うか知らないけどそれ、ごま油ですから!!中を見せたいところだが、盗難防止のためにラップでぐるぐる巻きにしているためそれも叶わない。おそらく、そういう外人を狙ってるんだろうけど…。同じような押し問答を数回繰り返した後、教科書通りのアプローチが始まる。

 

「OK.わかったわ。友達として今回はこの荷物を通してあげる。」

 

「ん?やっと諦めたか。」と思ったのは大間違いだが、とりあえずその場を離れようとしたところで目の前に立ちはばかる。「なに?もう行っていいんじゃないの?」と聞くと別の空港職員が答える。

 

「お前。今回は特別に通してくれるってよ?お前は何してくれんの?(金払えよ)」というアプローチが始まる。最初から怪しいとは思っていたが、二本松訓練所で学んだ通りの「賄賂要求」が始まり、恐怖心とかなく単純に「面倒くさい…」という感情にかられた。

 

もはやポルトガル語で正当に交渉することは不可能だと察し、JICAから与えられているある番号へ連絡しようと携帯を取り出す。

 

「は?何してんの?Don’t!」

 

空港職員の何人かは焦り始め、何人かは「ハッタリ」だと見守っている様子。ポルトガル語で話しかけてきた職員が急に英語を使ったのには少し笑いそうになった。(笑)「知り合いの警察に電話するから。」とだけ伝え、電話をかけます。

 

「JICAのもとまさです。マプトの空港にいるのですがどうにもトラブルに巻き込まれてしまって…」英語も話せるJICA専属の警官へ助けを求める。話していると空港職員に携帯電話を取り上げられる。

 

「もしもし。空港の職員です。あなたは?」

 

因みにこの空港職員が話している「あなた」とはモザンビーク国の警察官で、かなりのお偉いさん。おそらく警視監クラスだと思います。3本の指に入るようなことを言ってたのでね。

モザンビークはアフリカにある国ですが、上下関係は古い日本のように厳しく、階級社会のような様相を残しています。ということで、この国の公務員様である警官の中でも上位の官僚であるお偉いさんが話せばあとはとんとん拍子。

 

「ちょっと何の油を持っているか聞いていただけです。あ、ボランティアの方なんですか?日本の外交官?それはそれは、素晴らしい。それでしたら、特に何の問題もありません。」

 

と急に態度を変えた空港職員。電話を切った後はすぐに解放され、荷物もすぐにコンベアーに乗せられ運ばれていました。今回の騒動ではJICAという組織力に助けられましたが、旅行など個人で訪れていたら果たして賄賂を渡さずに難を逃れることができたか…?かなり疑問が残ります。

 

ちなみに他のボランティアが目撃したそうですが、「モザンビーク人でない人が手荷物検査場でお金を奪われていた。」そうです。もとまさも先月の任地訪問調査のときにモザンビーク人でない人がカウンター裏で今回のもとまさのように預入荷物について空港職員に事情聴取されているのを見ていました。空港に2回行って3件の目撃情報(うち1つは実体験)ってどんな頻度で賄賂請求が行われているのか…。

 

市民の味方警察官は日曜日もお仕事?!権力の暴走inモザンビーク

さて、これは先月起きた友人のお話です。

 

日曜日の朝、モザンビークを知るために早朝からお出かけしていたようです。防犯のためにJICA事務所から22時以降の徒歩移動を禁止されているモザンビークですが、朝についての言及はなかったように思います。

首都にはキリスト教の教徒が多いこともあり、ホームステイ先の近くにもいくつか教会があります。そこで経験としてミサに参加していた友人。ポルトガル語のみならず現地語のシャンガナ語の賛歌などもあり神聖な気持ちで教会を後にしたようです。

その後、中華スーパーを目指してテクテク歩いていると警察官3人が乗った車が近いてきたそうです。不穏な空気を感じたのも束の間、警官が車を降りて急遽始まった職務質問!

基本的に日曜日の午前中は教会でお祈りをしているものであり、土曜日や平日と比較して外を歩いている人が極端に少ない!ということで人通りが少なく犯罪に巻き込まれやすいらしいですが、この時は知る由もありませんでした。

「身分証明書を見せろ」

 

友人は持っていたディレと呼ばれるモザンビークでの身分証明書を提示します。そこにはDiplomático(外交)と書かれており外交官であることはわかるはずなのですが、日本のように教育が徹底されているわけでなくこの意味が理解できないという厄介な可能性があるそうで…。首都でこの状態ですから地方に行けばもはや通じるとは思えません…。何はともあれ、この身分証を見せても特に気にしていない警官は続けます。

「持ち物検査をする。財布を見せろ。」

 

持ち物検査は職務として必要かもしれませんが、財布を見せる必要はあるのか…?もちろん、まだ何もしていない警察官に対して抵抗するわけにもいかず素直に財布を見せた友人。もとまさであればこの時点で警戒レベルMaxで「何故?」と聞き返すか、JICA専門の警察官に電話をするところですが、少し平常心を失ったとのことでした。

「財布を渡す」ということは「お金を渡すということ」

 

もちろんお金を奪われます。目の前でお札をスッと抜かれたそうです。買い物をしようとしていた彼は1000MT札(1600円)を奪われました。日本円で考えるとそれほど大きく感じませんが、おそらく日本の1万円札のようなもの。モザンビーク人にとっては大金です!もちろん黙って見ている筈もなく、取り返そうと抵抗した友人でしたが、相手は3人の警察官。この時点では確実にJICA専門の警察官へ電話をしなければならないのですが、そんな暇もなく押し問答。結局、盗られたお金を取り返せず、その3人の警察官はパトカーで逃げて行ったそうです。せっかく教会へ行った彼に神の御加護は無かったようです。

 

海外で犯罪に遭遇するということはよくあります。今回のケースでは本当にお金のみの被害ということで一番軽度の被害だと思います。携帯やパソコンが奪われれば写真や仕事の資料などそのものの価値以上のダメージがありますし、傷害事件、殺人事件に発展することも十二分に考えられます。そういった意味では、神の御加護があったのかなと思ったり。前向きに考えるしかありません。その後、JICA事務所に連絡⇒日本の大使館より日本人に対して注意喚起という事態になってしまいました。

この話を語学授業でしたところ、語学の先生も「私も警察官は大嫌い」とかなりしかめた面で言っていました。この先生も同様に警察官にお金を奪われた経験があります。しかも、その時は上着の内側に拳銃を突き付けた格好で「金を出せ」と明らかに今回よりも凶悪な警察官に遭遇してしまい、「今日死ぬ…」と思ったそうです。

結局、持ってい全財産を奪われ、今でもその時のことがフラッシュバックするそうです。拳銃は本物ではなくパフォーマンスだったそうですが、海外では日本より簡単に拳銃が手に入るため信じざるを得ないのが現状です。二本松訓練所では「無抵抗主義」について何度も説明を受けました。モザンビークはまだ安全で、金を払えば命まで取られることは稀だそうです。しかし、お隣の南アフリカでは「金を出せ」と言う前にまず発砲して殺す。その後お金を奪うそうです。そういった意味では「無抵抗主義」もあまり効果は無いようです。

 

悪徳空港職員&警官のまとめ

もちろん、今回の話は氷山の一角に過ぎません。外交官としてJICAに守られていてもこんな具合に犯罪に巻き込まれているので個人で観光などしていればもっと危険です。警官にお金を奪われた彼ですが、二本松訓練所で学んだ通りお金を分散して持っていたため全額を奪われるという事態は避けることができました。みなさんもアフリカやそれに準ずる治安の悪い場所を観光される場合はお金や貴重品(身分証・パスポート・携帯など)は肌身離さず、しかもどこに持っているかわからないようにして持ち歩くようにして下さい。同期の女性隊員はお金をブラジャーの内側に入れたりと色々工夫しているようです。あとは、万が一犯罪に遭遇してもお金で済めばラッキーと思うぐらいの気持ちが大事かもしれませんね。それでは、皆様にも神の御加護がありますように。


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