さて、今回は物資支援についてです。途上国ではお金がなく、新しい服や学校で勉強するためのノート、みんなと遊ぶためのサッカーボール1つさえ買えない人たちが大勢います。幸い、日本は世界的にも発展した国であり、破れて背中が見えるような服を着ている人や、路上に落ちている食べ物を拾って食べる人、奴隷のようにこき使われている人たちはそれほど多くないと思います。しかし、途上国にはそういった境遇で生きている人が今この瞬間にも沢山います。青年海外協力隊として活動している隊員や、途上国で生活をしている人、途上国へ旅行したことのある人は目にしているかもしれません。今回の記事はそのような人を助けたいと思い、どこか支援してくれる団体がないか探している人のための記事です。
1.World Giftとは
国際社会支援推進会ワールドギフトとは、海外途上国へ物資支援を行っている団体です。海外のみならず、日本で災害が発生したときや、障害者支援施設、幼稚園、保育園等にも物資の寄付を行っています。さらに、国連WFPや国境なき医師団、交通遺児育英会、日本赤十字社などにも寄付金で支援を行っています。2019年3月31日現在、83ヶ国での寄付実績があり、常時100ヶ国への寄付活動を目標に活動されています。
2.World Giftでの取り扱い品目は?
ワールドギフトでは衣類、文房具、日用品、人形、おもちゃ、食器、カバン、雑貨類、化粧品、スポーツ用品、おむつ・衛生用品…などありとあらゆるものを扱っています。もとまさの場合はボロボロの服を着ているモザンビーク人を支援するために「衣類」、学校で必ず必要となる「文房具」、そしてお金がなくて何も買ってもらえない子供のために「おもちゃ」の3点の支援をお願いしました。
3.支援をお願いする方法は?
ホームページTOPにある「お申込み」をクリック。すると、「全般 お問い合わせ」という窓口があるのでここから支援のお願いをしましょう。もとまさのケースでは、自己紹介、支援をしてほしい理由などを記載してメッセージを送りました。
【一例】
はじめまして。もとまさと申します。現在青年海外協力隊の薬剤師隊員としてモザンビークに派遣されているものです。物資支援のお願いができないかと思い連絡させていただきました。モザンビークはアフリカ南東部にある途上国の一つで、ボロボロの服や裸足で歩いている人が沢山います。学校にも通うことができず、ごみを拾って食べている人も大勢います。そのような環境で過ごしているのですが、少しでもその人たちに何かできないかと思い物資支援について探していたところこちらのホームページに辿り着きました。もし可能であればご協力いただけないでしょうか。宜しくお願い致します。
こんな感じで連絡を行いました。すると、1-2日後に返信をいただけ、物資支援の協力をしていただけるということになったのです。
4.支援物資を受け取るまでの流れ
ここからは個々人により違うかもしれませんが、World Giftから連絡がきたらいくつか決めるべきことがあります。
・支援物資の郵送先(住所や郵便番号の用意が必要)
・必要な物資の内容の決定(服、筆記用具、スポーツ用品etc.)
・航空便/船便などの手段の選定(第1便は航空便、その後船便など)
このように、実際に送ってもらうための準備を進める必要があります。基本的にはワールドギフトから色々質問されるので、それに答えれば大丈夫なはずです。
5.World Giftに協力してもらうための条件
ワールドギフトに協力してもらう代わりにこちらがすべきこと。それは実際に支援していただいた物資を誰に、どのように使ってもらっているのかということを写真や動画で伝える必要があるという事。実際には物資を渡している様子や、渡した物資を使ってもらっている様子を撮影し、ワールドギフトに提出するというものです。FacebookやInstagramなどで記事として公開されますのでその辺りのことは物資を渡すときに伝えておくとトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
それと、航空便、船便の費用はワールドギフトが負担してくれますが、多少の郵送代の負担があるかもしれないということ。もとまさの場合は、ワールドギフト様にモザンビークまでの郵送代を負担してもらっています。ただ、モザンビークに到着後、もとまさが住んでいる郵便局までの郵送代は含まれていないので首都→ケリマネ(という街)までの郵送代はもとまさが自腹で払っています。また、関税がかかる場合はその負担も必要となります。
6.関税を免除してもらう方法
これは青年海外協力隊、もしくはそれに準ずる者にしかできないと思いますが…青年海外協力隊として赴任した場合、我々は外交官として活動を行います。ということで、その立場を利用します。外交官として文書を提出することで関税を免除してもらうことが可能かもしれません。(モザンビークでは可能でした)ポルトガル語ですが、見本を載せておきますので必要な方はご利用ください。A4用紙の紙に、記載。一番上は「税関様」みたいな感じ。「私はJICAの外交官としてここに来ており、日本から届いた子供たちのためのおもちゃが入った段ボール2箱の関税免除をお願い致します。」みたいなことを書きます。書き方がわからなければ税関職員が教えてくれるかもしれません。(モザンビークの税関では教えてくれました)
Exmo Senhor Director dos Serviços Provincial das Alfandegas da Zambézia
Quelimane
Eu Motomasa(名前) de nacionalidade Japão deplomatico e funcionario da JICA vim mui respeitosamente pedir a V.Excia para desembarasar as minhas encomendas numa quantidade de duas(2)(←数字は届いた段ボールの数次第) caixas vindo do Japão contendo brinquedos(中に入っているものを記載) para doação das crianças desfavorecidas, pelo que;
Pede deferimento
Quelimane aos 28 de Fevereiro de 2019(日付)
Motomasa(名前)
署名
6.物資支援をしてみて思ったことと興味がある人へのメッセージ
物資支援は日本で使われなくなったものをわざわざ他国まで送ってもらい、それを渡すというものです。途上国ではしばしば「援助慣れ」という言葉を聞きます。実際に物資支援をしてみてそう感じることもありました。純粋に「ありがとう!」って言われるんだろうなって思っていたら「この色よりあっちの色の方がいい!」「シャツはないの?」「今度はカバンがほしい!」なんて言われることもしばしば。支援物資を渡して文句を言われるなんて思っていませんでした。
途上国の人は可哀想な人たちで、先進国の人が手を差し伸べてあげないといけない。彼らは目に涙を浮かべて「ありがとう。ありがとう。」って言ってくれる。そんな「理想の途上国像」みたいなものを勝手に思い描いていた自分に気付かされたものです。
それでも、お金がないのは本当で、服がボロボロなのは本当で、サッカーボール1つすら手に入れられないのも本当です。物資を渡すだけだと結局本人たちのためにならないので物資を与えるのではなく、それを手に入れる手段や方法を教えた方がいという考え方もあると思います。日本から高いお金を払って運んでもらうよりも、その金額分途上国や周辺国で購入した方がより多くのものを渡せるという考え方もあります。日本で使われなくなったものを捨てるのはもったいないし資源を大事にするという考えもあります。でもその分無駄に輸送燃料を消費しているのかもしれません。何が正しいのかはわかりません。そういう葛藤をすることもあります。それでも、「物資支援をしてみたい」と思ったのであればWorld Giftに連絡をしてみるといいと思います。してみて初めてわかることもあります。今のところはやって後悔はしていません。でも、「ありがとう。」って言われたことがほとんどないなって感じています。日本人が「ありがとう」って言い過ぎなのかもしれないですけどね。途上国の人たちにとっては「困っていたらお互いに助けるのが当たり前」なのかもしれません。百聞は一見に如かず。興味があったらやってみて下さい。わからないことや聞きたいことがあれば下のコメント欄より気軽に聞いてください。最後にワールドギフトのリンクと、物資支援をしてみた記事を載せておきます。それと、もしこの記事が役に立ったようでしたら最後にぽちっとお願いします!ではまた他の記事で!
ワールドギフト公式HP→https://world–gift.com/
物資支援の記事1→この笑顔が見たくってやってるんだ!
物資支援の記事2→2度目の大規模物資支援!