タンザニア旅行の他の記事はこちら
→タンザニア旅行に行ってきた!モシ~アルーシャ編(Day2)
→タンザニア旅行に行ってきた!タランギーレ国立公園編(Day3)
→タンザニア旅行に行ってきた!セレンゲティ国立公園編(Day4-5)
→タンザニア旅行に行ってきた!ンゴロンゴロ自然保護区編(Day6)
タンザニア旅行4日目の夜、九死に一生の体験をしたので皆様にご紹介!
世界遺産としても知られるセレンゲティ国立公園は地平線が見えるほど広く、アフリカの広大さと自然の尊さを教えてくれる。14,763㎢がどれぐらい大きいかと言うと、東京都+神奈川県+埼玉県+千葉県よりもさらに大きいのだ。街中の小さな公園とはわけが違う。もはや大自然なのだ。柵などなにもないだだっ広い地平線まで広がるような場所にテントを立てて寝ることが許されている結構やんちゃな世界遺産であったりもする。
とは言え、テントを原っぱのど真ん中に1つだけ立てるわけではなく、世界各国から観光に訪れている観光客のテントを20~30個集めて、「人間がいるよ。」「動物さんはこっちに来たらダメだよ。」「特に肉食獣なんてもってのほかだよ」ってことを知らしめながら宿泊しているのだ。
日暮れ前のキャンプ場(という柵もない場所)にやっとテントを立て終えたもとまさとその一行。夕食まで時間があるということで先に簡易シャワー(もちろん冷たい水)で1日の疲れと、汗を流す。今回のサファリ旅行には専属シェフが帯同しており、タンザニアの郷土料理やちょっと洒落た料理を用意してくれる。目の前に座ったポーランド人とお互いに片言の英語で話しながら夕食を楽しむ。明朝6時発ということでお喋りもほどほどに一緒に旅行しているモザンビークの隊員やポーランド人は早々に寝自宅を始める。もともと、夜更かしが大好きなもとまさにとっては少し物足りなさを感じつつもテントで寝ようと試みる。
…がしかし、ビール2本では寝酒にもならず、アドレナリンのせいか全く寝れる気がしない。そう言えば、タンザニアに来る前にある友人からそれはとてもとても綺麗な夜景を見せてもらったことを思い出し「せっかく電気のない場所にいるんだから」と、一眼レフで夜景を撮ることにした。
時計の針は真夜中の2時を過ぎ、起きているのはさっきからずっと吠えている犬だけ。「ウォ~~~~~~ン」って興奮気味の犬は放っておいて、さっそく、Nikon D5300といういかした(初心者用の)一眼レフを、三脚にセットする。わざわざ食堂から椅子まで持ってきて写真撮影を開始するもんだから、当分寝る気は無いようだ。
「できるだけISOを下げて、シャッタスピードは30秒ぐらい…かな?」「綺麗な夜景を撮るために星をしっかり…って雲が邪魔!しかもよく見たら本日は満月…」「いっそのこと望遠で月の拡大写真でも撮るか。」なんていろいろ画角とかモードとかレンズをいじって楽しんでいるもとまさ。
「ウォ~~~~~~~~~~ン」
「ウォ~~~~~~~~~~~~~~ン」
いささかうるさすぎる犬にイラっとしながらもさっきまで40~50mほど離れた場所に居たはずの犬を思いのほか近くに感じる。声がやたらと近いということに気付く。というかかなり近い。そしてうるさい!
まんまるに満ちた月明かりがセレンゲティ国立公園を照らしたかと思えば雨期の雲に隠れて漆黒の世界が訪れる。要するに真っ暗で目の前が見えない(笑)iPhoneのライト機能を用いてさっきからうるさい犬がどれほど近づいてきたのかを確認しようと目の前を照らすと…
!!!!!!!!!!!!!!!!
映画や漫画でしか見たことの無い、暗闇で動物の目だけが浮かびあがるあの状況に遭遇するではないか。しかも、2つしかないはずの(少なくともそう思っていた)目が10個以上…おそらく14個ぐらいある。40~50mほどはなれていたはずのそれはほんの15m先まで近づいてきていた。iPhoneの光で微かに見える犬のフォルム…
(ん?犬にしてはデカくない?結構ガタイ良さげなんですけど)
「ウォォ~~~~~~ン」
メッチャ興奮してる!!iPhoneの光を通してもとまさと目が合い続ける犬(?)のようなフォルムの奴らは微動だにせず時が止まったかのような時間が流れる。状況が掴めずに動けないでいるもとまさはテントに到着する前にガイドが話していたことを思い出す。
「夜は電気がなく、柵もないので手持ちのライトでしっかりと周りを確認してから出るようにして下さい。一応トイレに行ったりすることはOKですが、周りをしっかりと確認してください。(大事なことなので2回言いました)」「肉食獣も来るかもしれませんしね。てへぺろw」 みたいな感じで肉食獣の件について軽く、軽~く触れていたことを今更思い出す。
(いやいやいや、まさか肉食獣が本当に来るかもしれないようなところに、宿泊とかする?日本人の道義的にはそんなことありえないよ!誰が責任取るの?そんなのありえないよ!絶対禁止されてるはず。責任問題になって大変だよ。うん間違いない。肉食獣がいるのに柵もなくテント張って寝るなんてバカじゃん…)
と、都合のいい解釈を試みたが
(あぁぁあ!ここ日本じゃない。日本の常識が通じるようなところじゃない!「日本って中国の一部でしょ?」って感じな場所だった!うそでしょ。本当に肉食獣と遭遇とかそんなことある?いやいやいや、でも…いや…)
心の中で「あーでもない、こーでもない」と葛藤を繰り広げるもとまさ。犬だと思っていたやつらが犬じゃないように見えてくる。いまさら身の危険を感じ始めて、現実問題どうすべきかをパニック状態の頭で考える…。(うん。ここにずっといるのはヤバい気がする…なんか本能がそう訴えかけてくる…)
10mほど後ろにあるテントに逃げ帰るか、25mほど離れた右側の食堂に逃げるか…。あんな布切れ1枚のテントなんて不安で帰れないわ!少し遠いが、ここは柵がある食堂に避難することを決める。目の前の肉食獣かもしれない犬っぽい奴とお互いに見つめ合うこと数十分(に感じたけど、実際は数秒)。先手を取られて走ってこられると逃げきれない自信があったのでここは勇気を振り絞ってこちらから…
さっきまで月を捉えようとしていた一眼レフとそれに固定された三脚を左手に持ち、右手のiPhoneは相変わらず目の前の動物を照らしている。高価な一眼レフだけは守りたい…なんて考えはなくただ一番距離をとりながら戦える武器として装備したのであり、替えのレンズやカメラバッグを連れて行く余裕はない。
(命をかけてまで守るものではないんだ…)とか、思いながら逃げ道を確認する。ゆっくりと音を立てずに立ち上がり食堂へ向かうはずだったが椅子が「ガタッ!」と音を立ててしまった。その瞬間に3匹ほどの犬っぽい奴らがもとまさの左斜め前まで詰め寄る!!!一瞬走り去ってくれることを期待したが、そうではなかったらしい。
(いやいやいや、ヤバイヤバイ…ヤバイヤバイヤバイ!)
(さっきより近いよ!早く逃げたい!)
早く逃げてしまいたい気持ちはやまやまだったが、目を逸らした瞬間に殺られる気がしてジリジリと食堂側に逃げていく。奴らが走ってきたのが左前で本当に良かった。これが右前だったら詰んでた…と思いながらもなるべく刺激をしないように食堂へ近づく。
目を離さず睨んでいた甲斐あってか、犬っぽい奴らは微動だにせずこちらを見ているだけでなんとか食堂の檻へ逃れることができた。出入口が2箇所あったため、両方の扉を閉め、生還したことを実感する。
その後、少し気持ちが落ち着いてから椅子と望遠レンズを回収しに行ったが、さっきより少し離れたところに奴らがいることを確認しテントではなくまた食堂へ逃げ帰る羽目となってしまった。
翌日ガイドに「ねぇ。昨日の夜から朝方にかけて吠えてたやつ何?」って昨日の出来事は話さずに聞いてみたところ「あれはハイエナだよ。てへぺろw」って…
因みに、ハイエナって死んでる動物しか食べないと思っている方もいるかもしれませんが、普通に生きてるやつも群れで襲い掛かります。ライオンを襲ったりすることもあるんだとか…いやいやいや、もう少しハイエナの群れに気付くのが遅れてたらガッツリやられてたかも知らん…(怖)
皆さんも柵なしのテントで宿泊するときはしっかりと周りを確認するようにして下さい。因みに朝方4時半ぐらいにテントの真横(1m以内)で「ウォォォ~~~~~ン」って鳴く声を聞いて(いやいやいや、近い近い近い…)ってビビってましたw
サファリでしかできない貴重な体験でしたが、今度からはもう少し気を付けようと思ったもとまさでした。因みに今回の訪問客はハイエナでしたが、ライオンがやってくることもあるんだとか。(そりゃあ柵がないんだから当然か…) ということでライオンだったら本当に死んでいたかもしれません。不幸中の幸い。九死に一生。生きててよかった~~~!!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
皆さんも九死に一生エピソードあれば下のコメント欄に投稿してください。「生きててよかったね」「面白かった」と思っていただけた方は下のボタンをぽちっとしていただけるともとまさの寿命が延びますw では、またほかの記事で会いましょう。Tchau!