安田純平さん解放に関する日本人の反応がちょっと怖いと思った件


こんにちは。青年海外協力隊の薬剤師隊員としてモザンビークで活動中のもとまさと申します。最近 Y!ニュースを開くと「シリアで拘束された安田純平さんが解放された」というニュースをよく目にするのですが、コメント欄に目を向けるとかなり刺激的な反応をする方もおり…日本人として少し悲しくなりました。日本人の「他人に迷惑をかけない」という国民性は好きですが、「他人」を「他人」と区別しすぎて冷たいな…って思うことがあります。今回はいくつかコメントを抜粋して紹介します。

今回の拘束が初めてではないという安田純平さん。また、入国したのは「渡航禁止」とされていた国ということもあり日本人の多くは(少なくともコメント欄を見る限りは)解放されたことは良かったが「自己責任」であり、「国民に迷惑をかけたのだから猛省すべき」という類の書き込みが大多数を占めていました。

 

ちょっと、怖い…と思ったコメント

「解放されたこと自体は良かったが本人に反省するべきところもある」というような意見が半数程度を占めておりもとまさも同じ気持ちです。ただ、同じ日本人として「怖い…」と思った意見があったことも事実。一部ご紹介します。

彼は死をも覚悟して現地に行った。ならその覚悟を見たかった。それを見られたら敬意を持てたのに残念。

同情も感動もないし嬉しくもない。日本に帰ったら今回の件をネタに講演や出版して荒稼ぎすると思うと腹立たしさしかない。

北から戻ってきた人たちはもっと痩せてたし肌艶悪かったよね

人質解放されたのにどこも異常がないとは随分と手厚い監禁だったのね。

殺されれば良かったのに。嫁は謝罪もなく髪もつやつや、化粧ばっちりでドヤ顔でニュースに出演。。本当に殺されてほしかった。後藤さんは、助かってほしかったけどダニみたいな奴は生き残るのね。。。

正直、殺された方が戒めになって良かったと思うよ。

帰る場所は韓国でしょ。

帰ってこないでください。

悪いけど、殺されておけば良かったのに。

同じ人間としてこの人たちのことが怖いです。確かに自己責任で危険地帯に入り、拘束され(しかも初めてではない)、政府に迷惑をかけ、解放され帰国されました。ただ、だからと言って「死んでほしかった」と言って批判する人もどうかと思います。

他の人がなかなかできないことをしている人です。謝罪の言葉は現時点で確認されていないようですが、だからと言って上のような反応は酷いと感じます。

 

もとまさの考え

国境なき医師団になることを目指したとき色々と危険な地域について調べたことがあります。働いている病院を目がけて爆弾が投下されるそうです。命を懸けて患者さんを助けるために世界中から集まる人たち。もちろん自己責任です。死ぬ覚悟もあるでしょう。もとまさも、「死ぬほど危険だが世界には必要としている人がいるのであれば助けたい」と思いました。拉致されたり、爆弾が頭上にあることをリアルに想像して、怖いと感じました。でも、「日本という恵まれた国に生まれてラッキー。他の人は知らない。」というのは嫌だと思いました。だからと言って死にたいわけではありません。日本に帰りたいと思うことだってあります。

安田さんが「日本にずっと帰りたかった」と発言したことについて、「誰も頼んでいない」「なら行くな」と冷たい反応のいかに多かったことか。

もちろん自己責任であることに異論はありませんし英雄と讃える気もありません。しかしだからと言って「日本に帰りたい」と思う事すら許されないのかと思うととても怖い。この批判している人のうちどれだけの人が命の覚悟をしたことがあるのか。したこともないのに口だけは達者な人が多いのではないか。

命を懸けて何かを成し遂げようとすることは尊いと思います。もちろん迷惑を沢山かけたし、新たな犠牲者を出す可能性だってある。反省すべきことも沢山ある。でも、挑戦することを全否定することは違うんじゃないかと思います。結果だけを見て、短絡的に「死ねばよかったのに」「税金は使うな」と言うのは少し違うんじゃないかな…って感じています。

日本はとても安全な国です。でも、世界には想像もつかないような危険な場所があります。「日本」と「他の国」と線を引いて自分のことだけを考えるか、「同じ人間」として自分事として考えるか。冷たい日本人が多いなって感じます。腫物に触らない精神は良くない。「戦地へ行け!」と強要する気はありません。でも、頑張っている人をもう少し温かい目で見守ってもいいんじゃないかなって。。

別に安田さんを擁護したいわけではないです。でも、他の人の反応も少し違うんじゃないかなって思ったのでちょっと思った事を書いてみました。モザンビークは幸い比較的安全です。日本よりはもちろん危険ですし、2年間帰国しないため「日本に帰りたい」と思うこともしょっちゅうあります。でも、途上国で苦しんでいる人の何か役に立ちたいと思って、日本の友人に遺書を託してここに来ました。うまく言葉にできませんが、日本のドライさが少しウェットになったらいいなって思います。批判だけでなく、ちょっとだけ、認める部分があってもいいのかなって。

残り8ヶ月、色々なことを考えながら過ごしたいと思います。早く日本に帰りたいなー(笑)

良ければぽちっとしてやって下さい。


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