モザンビーク23週目(12/3~12/9)


154日目(12/3)

今日は3週間ぶりに前回も登場したDelivioと教会へ行ってきました。前回よりは勝手知った感じで参加してきたので、それほど疲れずに2時間15分を過ごすことができました。お昼ご飯は専門家と呼ばれる方達(JICA事業を担当しているコンサル会社の方々)と食事をしてきました。6名の稲作専門家、全員が青年海外協力隊のOB/OGということで国際協力の道で生きている方達との交流でした。朝から停電していたので、冷えたビールは体に沁みました。(カナダや釧路の氷点下10-20度でも沁みますけどね(笑))

日本のお土産(シュウマイ&ふりかけ)までいただき、食事も御馳走になり、ありがとうございました!しかも、皆さん国際協力の経験値が高いので一緒に居て楽しかった!

 

155日目(12/4)

今日も朝から病院実習へ行ってきました。1時間で3件のアクシデントを見つけて驚いていた先週がとっても可愛いレベルだったということが判明しました…!

 

もとまさが働いていた経験から言うと日本の薬局では月に0-5件程度のアクシデント、50-100件程度のインシデントがあります。アクシデントとは、実際に患者さんに間違った薬や数、指示間違い、印刷間違いetc.何か1つでも間違っていれば「アクシデント」としてカウントします。患者さんに渡す前に薬局の誰かが気づいた間違いは「インシデント」としてカウントします。

 

50-100件のインシデントに対して0-5件のアクシデントということは、薬局内の薬剤師や医療事務が協力をして間違いを減らそうと何度も確認をしているということを指します。

 

しかし!!!!モザンビークでは「確認をする」ということをしません!全くしません!1人も、誰1人としてしません!ということで、本日お昼まで病院に居座った結果30-40件のアクシデントを発見。これ、1ヶ月ではなく1日の数値…。営業日25日/月と仮定すると150~200倍の間違い!!!しかも、午前中しか病院に滞在していないため、もっと多いと思われます…。因みにインシデントは0件です。(誰も確認しないので同僚の間違いを見つけることがない…)

 

そして、何よりも危険だと感じたことは、「間違っても誰も気にしない」ということです…。モザンビークという途上国では「先生」と名の付く人はお偉いさんです。たとえ間違っていたとしても右だと言えば右です。患者さんも滅多な事が無い限り「先生」に逆らう事はありません。そんな体制が未だに色濃く残っているモザンビークでは、「先生様」が多少の間違いをしても誰も咎めないのです…

 

この体制を変えていくことは容易ではなさそうです。残り1年半でどこまで介入できるか…。なかなかチャレンジングな課題ですね。

 

156日目(12/5)

朝から病院実習へ。本来であれば講師として生徒を外から見守る役なので同じ様に薬局内で働く必要はないのですが、放っておけば日に40件以上のアクシデントが確定しているこの薬局でそんなわけにも行かず、1枚でも多くの処方箋をチェックしていました。(間違いが見つかりすぎてわざとかと…(笑)……………笑えない。)

 

病院実習先には担当している生徒のみではなく、他校の生徒もいます。ということで、もとまさも一緒に活動をしているのですが、他校の生徒があまりにも確認をせずに薬を患者さんに渡すものだから軽く注意をしました。

 

「患者さんに渡す前に薬は確認が必要だよ。さっきからいっぱい間違いがあるんだし。」別に、怒鳴ったり、嫌味だったりせず普通に伝えました。

 

その結果……

 

 

無視(おい。無視すんな。)

 

 

「おい。薬は確認しようね。」…と再度挑戦。

 

その結果…

 

 

完全に無視。もはや何も聞こえていない風。

(おい、間違ってるから言ってるんだろうが。聞け!)

 

 

「薬は確認してから渡すもんだよ?」少し強めに伝えます。

 

その結果…

 

 

もとまさの指図を完全に無視して患者さんに渡そうとします。というか、半分患者さんの手に渡ってる…。

 

(お前の持ってる薬が間違ってるから言ってるんだよ!!このバカヤロウ!!!)

 

 

もはやこのまま大人しく見ていては患者さんに間違った薬が渡ってしまう。

 

 

「おい!確認しろって言ってるだろ!この薬が間違ってるとわからないのか!!」

 

患者さんの前とか、関係ありません。日本であれば、こんなやり取りを患者さんの前でしたら、絶対に薬局の信頼が無くなります。が…ここはモザンビーク。これが普通です(笑)

 

その後、薬局の薬剤師にこっぴどく怒られていました。

(というか、学生に任していたら間違うに決まっているだろ。薬局の薬剤師もきちんと学生実習しやがれ…!)

 

こんなことがこれから毎日続くのかと思うと、ちょっとノイローゼです(笑)

 

色々思うことはありますが、モザンビーク人は計算ができないとか、能力が低いとか、頭が悪いということではなく、単純にきちんとした教育を受けられていないことが原因だと思います。まだまだ、他人を気遣う、時間を守る、できないことは「出来ない」と伝えるなど、できていないことは沢山ありますが、今後の子供世代に期待です。僕自身も、少しでもモザンビークが発展するために、今担当している生徒たちが少しでもよくなるために、活動をしてこようと思います。ただ、プライドが高いのでちょっと気を付けながらの指導が必要ですけどね…。

 

157日目(12/6)

今日も昨日、一昨日と同様に病院実習へ。一昨日は12時過ぎ、昨日は13時過ぎ、今日は14時過ぎと、日々間違いの多さで帰れなくなっています。僕が担当している病院には薬剤師が6人いるようですが、ほぼ全員と顔見知りになりました。お陰様で病院内をぶらぶらしていても、「お前誰だ?」見たいな感じで見られることは減ってきました(笑)

 

先週の土曜日に記載したマラリアになったかもしれない隊員から連絡があり、「元気になりました!ありがとうございました!」とのこと。良かったです。結局食中毒だったのか、マラリアだったのかはモザンビークの設備不足でわからなかったようですが、「マラリア検査キット陽性」「左のお腹が痛い(脾腫?)」などもあり、マラリアだったかもしれないようです。僕も、気を付けねばならないですね。

 

そういえば夜、今月中旬にはQuelimaneからMaputo(首都)へ移動し、来年1月には日本へ帰国される先輩隊員から連絡がありました。

 

「調味料などいりますか?」

(うゎ!やった!先輩からの御下がり!)

ということで、先輩から御下がりを貰ったのですが、調味料だけでなく、塗り絵やお年玉袋、習字セット、シールなどなどモザンビークでは手に入らないものを沢山いただけました。ありがとうございます! せっかくなので、学校のイベントetc.で有効活用させてもらおうと思います。実は来年の8月(8ヶ月後)に後輩隊員がQuelimaneへ来る予定となっています。それまでに、もとまさも「先輩隊員らしく」ならねば、と気合が入っております(笑)

 

158日目(12/7)

今日も病院実習へ。薬剤保管庫で実習を受けている生徒を見に行ったら「先生!写真撮って!」と、何故か急にリクエスト。ということでパシャリと1枚。

 

実は、この写真に写っている男の子も先々月マラリアで学校を休んでいました。本当に、マラリア汚染地域に住んでいるんだな…と日々実感しつつ、心が休まらない状態です。

 

159日目(12/8)

本日は病院実習へは行かず、学校へ出勤。どちらへ行くかはもとまさに任されているのですが、先週から一度も学校へ行ってなかったので今日は学校を選びました。タイミングよく、全体の職員会議があったようで、いつも通りExcel先生として、講師のプリントアウトのお手伝いをしていました。

 

学校では一応給食が支給されます。普段はほとんど食べないのですが、1日1食生活が続いていたの半飢餓状態で我慢できずに豆ごはんをいただきました。空腹は何にも代えがたい調味料ですね(笑)

 

その後、先輩隊員がQuelimaneを離れるということでお礼としてカプラナ(アフリカの伝統布)を同僚の隊員と買いに行きました。最近オープンしたという噂のカプラナ屋さんへ行ったところ広い!首都のMaputoには劣るものの、十分な品ぞろえ!ということでどれが良いかあーだこーだ言いながら、見ていると自分も欲しくなって来る。結局もとまさは我慢しましたが、同僚の隊員が自分用に2枚買っていました…(笑)

その後近くで晩御飯を食べることになり、モザンビークに来てから蟹を頼んだことがないということに気付き注文した結果がこれ…

 

金槌と出てくるって…(笑)
お陰様で食べるのに時間がかかる、食べる部分が少ない、手はぐちゃぐちゃ…。元々蟹を剥きながら食べるのが嫌いだと食べながら思い出しました。もう2度と頼まないと思いますw

 

160日目(12/9)

12月3日でも書いた通り、専門家の方がQuelimane に来ています。そのときに、ある専門家と家の話になり、家にエアコン、テレビ、ソファ、お湯、十分なセキュリティなどがなく、断水頻発、オーナーの対応が悪い…etc.という話をしたところ、「可哀想に(笑)」と軽く馬鹿にされた後、「良い物件があるから紹介してあげる」と言っていただけました。そして、今日朝9時から実際に見学に行ったのですが、テレビこそ無いものの、エアコン、ソファ、お湯に加えセキュリティもほぼ問題なく、水用のタンクも現在の数倍の大きさがありました。年末の忙しい時期に入りますが、思ったよりも良い物件だったため、引越しの手続きを進めようかなと思います。

 

その後、家に帰ろうかと思ったのですが、学生が土曜日も実習をしているため、お休み返上で指導に行ってきました。そして、いつも通り間違いの嵐…(笑) ただ、平日よりは患者数が少なかったため、いつも彼らが間違う薬についてゆっくりと説明をすることができました。

 

帰宅後は家事をしたりゆっくりしていたのですが、洗濯機に水を入れていると噂の「断水…」(笑) やっぱこの家欠陥だらけだわw

 

今週のまとめ

今週はモザンビークに来てから最も充実した活動になりました。あまりの間違いの多さに薬剤師の存在意義が感じられず、患者さんが死ぬんじゃないか…と思うと眩暈がしてきますが、それを改善するためにやってきたんだ!と、気持ちを切り替えて活動します。というか、かなり責任重大な気がしてきました。相変わらずモザンビーク人はのほほんとしていますが、彼らに少しプレッシャーをかけ、薬剤師の地位向上に向けて背中を押していきたいと思います。来週も頑張るぞ!!


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