途上国での慣れない値段交渉 in アフリカ


こんにちは。アフリカのモザンビークに住み始めて1年8ヶ月が経ったもとまさと申します。アフリカに来てから思うのが、「何も値段が決まっていない」ということ。日本でスーパーやコンビニ、レストランに行けば値段が書かれているしタクシーを使うときはタクシーメーターがあり、掃除屋さんに掃除をお願いするときは料金テーブルが用意されています。(1年8ヶ月日本に帰っていないのでその感覚を忘れつつありますけど…w)

日本では値段設定されていることが当たり前で大阪人以外には値切りという文化が根付いていないので苦手な人も多いことでしょう。(※一個人の意見であり大阪人を侮辱しているわけではありません。まぁ、もとまさも大阪人みたいなもんですけど。)

今回はお掃除さんと値段交渉したときの話です。大家に頼んでお掃除さんを呼んでもらいました。他のボランティアから話を聞いている限り200MT前後(約380円)でお願いできるということだったのでお願いすることにしました。もっと安く頼んでいる隊員もいるのでまー、それぐらい用意していればいいんだろうと思っていました。

大家さんとお掃除さんが日曜日の朝9時に到着です。大家さんはとても神経質なので「ここにホコリがある!」とか、「この棚は高価なので重いもの置かないで!」とか、「あ~、ほんと汚いわこの家」とか言いながら家の中のチェックが始まります。(だから掃除頼んだんだよ!)とか思っていたら「わかったわかった。だから掃除頼んだんだよ」って口から出ていました(笑)

大家さんは「ここと、この下とあっちの棚と玄関と…」って掃除する箇所を指定しだします。(俺はまず床掃除してほしいんだけど…)とか思いながらも大家さんに反論すると100倍ぐらいの勢いで反撃がきそうなので黙って見守ります。(特に寝起きは体力ないのでね…)一通り指示が終わったようで大家さんがやっと出て行って一安心。(あとは掃除が終わるのを待つだけだな…)なんて思っていたのですがそこから始まりました。例の恒例行事が…

 

「さて、いくら払ってくれるの?」

 

(え!?値段決まってないのかよ!)1年8ヶ月住んでいるとはいえ慣れません。朝の体力ないときに値段交渉嫌だな~…って思いながらも話をしないと進まないので

「相場はいくらなの?」

と聞き返します。まぁ、この質問が意味をなさないことは知っているんですけど。大体高めの値段を言われるかはぐらかされて終わります。今回ははぐらかされるパターンで何の参考にもならず。

 

「いくら払ってほしいの?」

と、何度か聞いた結果帰ってきた答えは…1,200MT(約2,280円)との回答…想定の6倍!!予想と全く違うじゃねえか!!てかこれ1ヶ月分ですか?って思うぐらい高い!(日本人にしたら「それぐらいでケチケチ言うなよ」と思うかもしれませんが、現地に1年8ヶ月も住んでいると金銭感覚がこっち専用になるんです!)高すぎて絶句していたのですが何とか気を取り直して反撃開始!

 

も「いや、前の家では1日200MT(約380円)しか払ってなかったんだけど」

掃「それは安すぎるわ!この家広いのよ?」

も「いや…前の家の方が広かったよ。」

掃「今日は最初だから掃除する場所が多いのよ!洗濯物もあるし、玄関掃除もしないといけないし。」

も「いや、洗濯物は機械(洗濯機)があるから必要ないし玄関掃除は頼んでないよ。家の床を掃除してほしいんだよね。」

掃「床って言ってもいっぱい部屋があるじゃない!」

(そんなに無いよ…)

も「1,200MT(約2,280円)は払えないよ。」

掃「じゃあいくらなら払うの?」

も「前の家が200MT(約380円)だったからせいぜい400MT(約760円)かな」

掃「おまけして1,000MT(約1900円)でどう?」

(おい、まだかけ離れてるな…)

も「いやいや、高いよ。」

掃「パトロンはモザンビーク人を助けたいと思わないの?」

(出た…口論で言い負けると貧困だから助けてっていう戦法。モザンビークに来たばかりならぐうの音も出なかったけど1年8ヶ月のベテランをなめるなよ!)

も「あのね。俺ボランティアでここに来てるの。お給料ももらわずに2年間家族と離れて働いているの。俺も家族も1円も受け取らないよ。それは誰のため?日本人のため?中国人のため?違う。モザンビーク人のために働いてるんだよ。だから次はモザンビーク人が日本人を助けてくれてもいいんじゃない?」

(この話をすると大体のモザンビーク人は一時機能停止で固まります(笑)さっきまでたどたどしいポルトガル語を話していたのにこのセリフは慣れ過ぎてスラスラと言えるwww)

掃「そ、それは。お給料もらわずとかうそでしょ?」

も「嘘じゃないよ。日本で働いてればお給料も貰えるけどここでは1円のお金にもならないよ。だってボランティアだもん。働きに来てるんじゃなくてモザンビーク人を助けに来てるの。日本のためじゃなくてモザンビークのためだよ。」

結局その後も長い長い交渉が続き、最終的には600MT(約1,140円)で手を打ちました。因みに交渉が終わったのはオーナーとやってきて1時間が経った頃……長えよ!半日でこの給料が稼げるのなんて大学講師レベルだと思うんだけど…しかも実質労働時間1~2時間。 とりあえずお金より体力が先に底を尽きました…w 一応この値段は最初だけで、他の日はもう少し安くしてくれること、今日はディスカウントした代わりにお金以外の「モノ」で少し払うことを約束しました。

 

途上国で働いている友人がよく言う事はこれ。

「お金の金額の話じゃないんだよね。物価は安いわけだから。ただ、現地人と外国人で値段をわけて、外国人は金づるみたいな感じで多めに貰おうっていう精神が嫌なんだよね。サービスを良くするとかがあるわけでもなくただただいいカモにされてるのが気に食わない。」

いや、ほんとそれ。値段じゃないんだよ。「こいつらならどうせ金払うだろ」みたいな精神が嫌なんだよね。そのくせ「モザンビークっていい国でしょ?」とか聞いてくるあたりが理解できない。もちろん日本とか先進国の基準と、ここの基準が違う事は学んだけどやっぱり素直には受け入れられない。そういう意味で現地人にはなれていないなーって思う。

 

途上国に来る前は多少多めに払ってもいいかななんてチラッと思った事があるけど、来てからは拒否反応。だって買い物をするたびに多く払ってたらそれこそいい金づるだし、他の外国人にも迷惑かけそうだし。(「あいつは払ってくれてたのに。」とか他の人の名前を出すのも好き)

まぁ、こんなことを毎日してるわけですよ。機嫌の悪い日にこんなことが起きるとかなりムカッとするので家に引き籠っていたくなるのですがそうもいかず…コンビニなら一言も話さなくても正規料金で買い物ができて、店員さんもテキパキと働いてくれて、「ありがとうございました!」って頭まで下げてくれる…いい国だなぁ。「日本っていい国でしょ?」って見せてやりたいぐらい。

 

そんな愚痴を言いつつもモザンビーク人と楽しく働いて、飲んで、騒いでしてるんですけどね。1年8ヶ月日本から離れると日本が恋しくなりますね。最近ちょっとモザンビークに対してイヤイヤ期が起こっているので早く収めて残りの短い時間を大切にしなければなりませんね…。はぁ。湯船につかって、日本食堪能して、日本語話したい!残り4ヶ月頑張るぞ!オー!

最後まで読んでいただきありがとうございました!「わかるよその気持ち!」とか「可哀想に」とか「あと少し頑張れ!」って思っていただけたら下のボタンをぽちっとしていただけると多分あと少し耐えられます(笑)モチベーション下がって、モザンビークイヤイヤ期に入って、自己嫌悪するという負のスパイラルに巻き込まれ中なので早く抜け出したいものです。iPhoneの充電器壊れたから携帯電話使えないし。このケリマネ(という任地)にiPhoneの充電器は売っているんだろうか。お掃除さん帰ったら買い物に行こう…。また値段交渉かーーー!(最悪)

 

きっとこの経験はもとまさ自身を鍛えてるんだ。きっとこの経験が将来に生きるんだって思いながらなんとか耐えています(笑)さ、頑張ろう!Wish me luck!


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