カナダのトロントに留学中のもとまさと申します。留学先で日本人と一緒に行動することが良いのか、悪いのかということについて少し触れてみたいと思います。(こちらの記事は2016年11月に投稿され、2019年2月にリライトされています。)
もとまさの現状(2016年11月)
現在、もとまさが最も仲良くしているのは同じくトロントに留学している日本人です。旅行や買い物、食事やイベントなどによく出かけています。これだけを書くと、「カナダにまで行って何してんの?」と言われそうですけどね(笑)
日本人と一緒にいることの何が悪いのか?
一般的に英語を学びたい留学中の日本人が他の日本人と一緒にいることで「悪影響」を受けることと言えばどんなことでしょうか?
「日本人と一緒にいると結局日本語ばかり話す」
「日本人は英語力が低くて固まっている」
「日本人の友達と海外旅行をしているようなもので英語の勉強にならない」
「日本人ばかりと固まって、他の国の人と接する機会がない」
このようなところでしょうか。実際に留学しているもとまさ個人としては半分正解で半分不正解かなと思っています。このようなステレオタイプで凝り固まっている人はもしかしたら下で記載しているような考えを持っているかもしれません。
「海外の人と話せば自然と英語力が上達する」
「日本人といると英語が伸びないので必死に避けるべきだ」
「留学に来ているのだから日本語を話してはいけない」
日本人以外と行動することのメリット
これはきっとみなさんのイメージ通りだと思います。「お互いの共通言語は英語のみである。」ということです。日本人以外の人とコミュニケーションを取るためには英語しか選択肢がありません。お互いが拙い英語を駆使しながら思いを伝えようとする過程で様々な表現方法や言い回しを学んでいきます。この苦労こそが英語力上達への近道であり醍醐味であるということは間違いないでしょう。
また、日本では常識だと思っていたことが世界では違うんだという新しい発見をすることもあります。文化、風習、政治、宗教、趣味、法律…とありとあらゆることが違います。日本にいるだけでは出会う事がなかった出会いが海外には沢山あります。友人と英語を学びながら相互理解を図るというのは世界平和につながる第一歩ではないでしょうか。
- インド人はご飯が美味しかったらゲップをする
- サウジアラビアの女性は車を運転することができない
- 麻薬が合法の国や、日本以上に麻薬へのハードルが低い国(逆に死刑になる国)がある
- イスラム教では豚を食べる事が禁じられているのは有名だが、実はその言葉を言う事すら良くないとされている
- 中国では御馳走をしてくれた人に翌日以降お礼をしてはいけない
このような、普段学ぶことがない世界を現地人から直接聞けるというのは留学する醍醐味の一つではないでしょうか。日本人以外と話しをすることで他の国を知り、他の国を知ることで新しい日本を知ることができます。普段は日本人としての目線で見ている日本という国が、海外を知ることで世界目線で見ることができるようになります。日本人目線の日本と世界目線の日本では色々と評価や印象が変わってきます。留学をしている人や海外で勤務している人が「海外に出て初めて日本の良さを知った」とよく口にするのは「日本人目線以外の視点」を知っているからでしょう。日本人以外と行動するメリットは壮大ですねw
日本人と行動することのメリット
では逆に、日本人といるメリットについても見て行きましょう。こちらもみなさんのご想像通り。コミュニケーションを取るのが非常に楽だということです。お互いに英語がわからない中で頑張っている連帯感と同郷という安心感が日本人グループを作ります。孤独な留学生活では精神的に不安定になることもありますが、そんなときに日本人が近くにいるという安心感は非常に大きなメリットと言えるでしょう。
また、先輩留学生の日本人や人気者の日本人と仲良くなれば色んな現地コミュニティや友人を紹介してくれるかもしれません。日本人同士だからこそすぐ仲間に入ることができ、その流れで色んな国の友人ができるという正の連鎖です。日本人の友人というのは留学中のみならず日本へ帰国した後も継続して会ったりすることができます。ブラジルの友人と毎年会うのは難しいかもしれませんが、日本人同士、日本国内同士であれば毎年会うことも可能でしょう。日本人と行動するメリットがあるということを知っていただけるといいかなと思います。
あなたの目標は何ですか?
ここで一つ確認をしておきたいことがあります。もし、あなたが「英語上達」を目標にしているのであれば、それはどの程度までを目標としていますか?
- TOEIC900点?
- 英語で生活ができるようになること?
- 英語の先生になること?
- 海外で仕事をするため?
- 海外旅行を楽しむため?
- ネイティブと同じレベルで話をしたい?
あなたの目標によって、どこまで英語力を伸ばす必要があるかということは変わってきます。例えば、海外で仕事をする例としてJICAという組織(国際協力機構)の調整員であればTOEIC730点あれば条件を満たすようです。海外で仕事をするのに思ったより低いですね。海外の大学に入学したいならIELTS5.5以上が必要かもしれませんし、海外旅行がもう少しスムーズになるためであれば試験対策ではなく旅行中によく使う英語を学ぶ必要があります。
もとまさの場合
・海外映画や劇を字幕なしで見たい
・ネイティブスピーカーと談笑できるレベルになりたい
・国境なき医師団などで使えるレベルにしたい
もとまさは現在留学をしており、上に書いたようなことを目標としながら勉強を進めています。「国境なき医師団で使えるレベル」というのは実はそんなに高いレベルではありません。専門用語を英語で話すというのは一つ大きな壁ではありますが、全体の英語力で言えばそれほど難しいことはないでしょう。一方、「海外映画を字幕なしで見る」や「ネイティブと談笑する」というのは非常にハイレベルと言えます。なぜなら基本的な英語表現に加え、スラングや海外の文化、歴史背景、流行などを理解する必要があるからです。「英語だけ」では足りないのです。少なくとも、今のもとまさには超ハイレベルであるというのは隠しようの無い現実…。
目標とするレベルによって勉強すべき内容や方法が変わってきます。
日本人は本当に英語力が低いのか?
続いで、語学学校の話をしてみたいと思います。語学学校には授業の質を確保するために大抵レベル別クラスが設けられており、学校によって5、11、21段階などにわけられています。もとまさの学校ではレベル1~11が設定されています。
レベル1:本当に初歩。I am Motomasa. I am from Japan.
レベル5:自己紹介や身の回りのことについてある程度説明できる。
レベル8:比較的流暢に話すことができ、政治や宗教、犯罪など難しい内容のディベートにも参加できる。
レベル11:自分の考えを的確に伝えることができ、複数の言い回しが可能である。ネイティブともコミュニケーションが取れる
こんな感じだとしましょう。レベル1の人から見るとレベル8やら11なんてすごい話せる人に見えるだろうし「雲の上の人」みたいな勘違いが起きるかもしれません。因みに、各レベルの国籍比率はどんな感じだと思いますか?ステレオタイプ的な考えではこんな感じでしょうか…?↓↓↓
レベル1:日本、日本、日本、日本、日本、日本、日本
レベル5:日本、日本、日本、日本、韓国、ブラジル
レベル8:日本、日本、イタリア、フランス、メキシコ
レベル11:イタリア、フランス、ハンガリー、サウジアラビア、コロンビア
日本を出る前のもとまさがそう思っていただけなんですけどね…w 日本の教育上、確かに英語を話す機会は乏しく文法知識やボキャブラリーが充実している割には話せない日本人が海外の人と比較して相対的に多いことも事実ではありますが、全員が話せないわけではありません。実際の国籍比率はこんな感じだったと思います…↓↓↓
レベル1:日本、日本、、ブラジル、ブラジル、韓国
レベル5:日本、日本、日本、コロンビア、メキシコ、韓国、ブラジル
レベル8:日本、日本、イタリア、ハンガリー、サウジアラビア
レベル11:日本、日本、フランス、ハンガリー、コロンビア、ブラジル
繰り返しになりますが、相対的に日本人が英語を話せないのは事実です。ヨーロッパの人は比較的高いレベルから授業が始まる傾向にあるし、ぱっと見流暢に話しています。ただ、それに混ざって頑張っている日本人も一定数いるのです。ここで言いたいのは、一概に「日本人は英語力が低いので一緒にいるべきではない」と決めつけるのは間違いだということです。
本気で英語を上達させたければこれをしなさい
ここであなたの「英語の目標」を思い出してみましょう。そもそも、「本気でネイティブと英語で話したい」「英語⇔日本語の通訳者になりたい」「流暢に英語を話したい」…etc. と高い目標を持っているのであれば、語学学校の中でレベルが云々言ってないで、現地の友達を作る。これに尽きます。
語学学校の「レベル5とレベル11」の生徒の差なんか、「レベル11とネイティブ」の差に比べれば無いに等しいとカナダに来てヒシヒシと感じています。これを感じはじめてから、語学学校の友達は「日本人」か「外国人」かなんて気にせず、日本人とも遊ぶし、外国人とも遊ぶし、現地のカナダ人とも遊ぶしという感じで過ごしています。語学学校で話せるになっても、外の世界に出て話せるとは限らないということを知ってほしいなと思います。
結局日本人の友達を作ってもいいの?
もし、あなたがどうしても日本人といると日本語を話してしまうのであれば外国人と一緒にいる時間を増やした方が良いかもしれません。日本語を話しているだけでは英語は伸びません。それは事実です。日本人同士が日本語しか話さず、職場のジャパレス(ジャパニーズレストラン)でも日本語を話し、他の国の留学生やカナダ人と出かけない(もしくは出かけても一緒にいる日本人と日本語を話してしまう)のであれば「1年間留学したけど結局ほとんど英語が話せない」という悲劇が起こっても不思議はありません。「ちょっと意思が弱いかも…」と自覚している人は日本人の友人を作りすぎない、もしくは学校や留学先を選ぶ段階で日本人がほとんどいない場所を選ぶべきでしょう。「精神的に弱いから日本人が近くに居てほしいけど、近くに日本人がいると日本語しか話さないかも…」という人はかなり難しい問題を抱えていますけどね。そんなときは「何故英語を勉強したいのか?」という原点に戻って考えるといいかもしれません。
逆に、日本人と一緒に居てもしっかり英語の勉強ができる人、日本人だけでなく外国人ともお出掛けする人、日本人と一緒にいても英語で会話できる人にとってはそれほど「日本人の友達を作るかどうか」について深く考える必要はないかもしれません。記事のはじめにもとまさはカナダで一番仲良くしているのは日本人であると話しましたが、実はその彼とはずっと英語で会話をしています。唯一日本語で会話して良いのは「緊急時」と「食事中」だけとルールを決め、それ以外の時間に日本語を話したら「罰金を払う」というルールまで定めています。そうすることで、日本人と一緒に居てもなあなあにならずメリハリを持って勉強できているのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回は、カナダへ実際に渡航して感じたことを書いてみました。カナダ留学前は「日本人を避けなければ」「日本語を話したら負けだ」と思っていたもとまさではありますが、心境の変化があったのです。同じ悩みを抱えている人のお役に立てばいいなぁ。メリハリを持って勉強ができていれば日本人と日本語を話してもいいんです。ただ、語学学校内で日本語を話している人を見た時はさすがに「何しに来たんだろう?」と思わざるを得ませんでしたけどね。(基本的に語学学校内は母語の使用禁止というルールがある) せっかく留学に来たんですから、英語を学び、海外を知り、日本の良さを知って帰ってきてほしいなと思います。日本語は話してOK!日本人と友達になってOK!でも日本語だけ話すのはNG!日本人とも英語で会話できていればNo problem!現地の友人を作って充実した留学生活を送って下さい!それではまた別の記事で会いましょう!Cheers!