こんにちは!アフリカで協力隊として2年間活動していたもとまさと申します。職種は薬剤師、派遣国はモザンビークの2017年度1次隊です。帰国して10ヶ月が経とうとしており、休職していた会社にも戻って勤務をしているのですが、「復職」というものも含めて、メリットとデメリットを書いていきます。
協力隊に行きたいけど、その後の人生が不安…という方に役立ってほしいという想いで綴っていきますね。
協力隊に参加して感じたメリット
メリット1:後悔がない
行って何も後悔していないわけではありません。でも、「行けばよかった」「あのときチャレンジできなかった…」と過去のことを後悔をする可能性がないということです!留学や青年海外協力隊での経験について話すと「私もやってみたかったんだけどね…」と話される方も少なくありません。でも、そういうのって格好よくはないですよね。何事にもチャレンジするのは魅力的なはず!
メリット2:自信がつく
「後悔がない」にも付随するかもしれませんが、やはり2年間1度も日本に帰国せずアフリカで生き抜いたという経験は何物にも代え難い。銃が聞こえた、狂犬病やマラリアに怯えた、言葉の分からない地で友達ができた。「シーナシーナ!(中国人の軽蔑語)」と罵られ、スリや強盗の危険に晒されつつも身を守り切り途上国で国際協力したというこの経験は誰にでもできるわけではありません。自信家なもとまさですが、さらに自信を付けてしまいました。もはや過信ですw
メリット3:バイリンガルになれる
海外で国際協力をするということは言語を学ばなければなりません。海外で生活するだけならほんの少し話せるだけでいいですが、薬学部の学校で授業を行い、病院で指導し、飲み仲間とビリヤードして遊ぶにはそれなりに言葉ができないと活動になりません。そういった追い込まれた状況だからこそ言葉が学べるのです。派遣された国によってはトリリンガル以上になれる可能性すらあります。カナダ留学で英語を学んだあと、派遣先のモザンビークではポルトガル語が公用語だったため今ではトリリンガルです。(もう忘れ始めたけど。。。)
メリット4:交友関係の幅が一気に広がる
「人の繋がりが大事」と言われている昨今。協力隊ほど効率よく様々なバックグラウンドの方と知り合える機会はありません。協力隊参加者の半数はすでにある程度英語やスペイン語などが話せます。体育隊員であれば日体大出身やオリンピック選考に参加していた人たち。有名アーティストのデザイナーや建築家、世界80ヶ国を周ったバックパッカーや元テレビアナウンサー、未来の外交官などそこらへんでちょっと交流関係が広がりましたみたいな質とは異なります。WHOやUNHCRなどの世界的な機関で働いている日本人の半数は青年海外協力隊出身と言われています。そして、経歴だけでなく本当に人間として魅力的な人が多い!
メリット5:世界がグッと近くなる
今まで、海外ってとても遠くのことだと思っていました。でも、2年間海外に住むことで根本の「人」は変わらないんだって知ってからグッと世界が近く感じるようになりました。「どこか遠くにある知らない人と場所」ではなく、もっと、こう…うまく言葉に表せられないですが、身近に感じるようになりました。もちろん、旅行も国内旅行とさほど変わりません。ちょっと財布へのダメージが大きいだけですw帰国して3ヶ月後には東ティモールとインドネシアに一人で旅行してましたからね(笑)
メリット6:日本の良さを再確認できる
協力隊参加者がみんな思います。「日本てなんていい国なんだろうか。」って。日本ほどいい国はない。もちろん政治家の対応がノロマでお互い世間体を気にして本音が言えず、ノー残業デーでも仕事をして困っている人が居てもシャイだからって言う理由で見てみぬふりをする国民性だとしても(笑)
コンビニは24時間空いてるし、酔っ払って道端で寝てても殺されることなく、Amazonで注文すれば翌日には荷物が届いて公共交通機関は定刻通りに動いている。そんな当たり前に感謝できるようになります。これってすごい大事。
メリット7:帰国後も一目置かれる存在に!
人事担当者として仕事をしていますが、社内はもちろん、取引先や顧客、飲み屋で出会った人から見知らぬ通行人まで(?)「青年海外協力隊として2年間アフリカに住んでました」って言えばみんな興味を持ってくれます。そんな奇特な人、多くないですもんねw ストレス耐性が高いのはもちろん、英語が話せて、コミュニケーション能力も高いはず。そんな人が放っておかれるわけもありません。ある薬科系の大学に訪れた時も「来年講義してもらおうかなぁ…」なんてチャンスが貰えたり。
「アフリカで2年間薬剤師として働いていました。」
このパワーワードで、当分はやっていけそうです。
8.国際系の就職がしやすくなる
私は休職していた会社に戻りましたが、青年海外協力隊の参加者は国際系の仕事に進む人が少なくありません。先ほどご紹介したWHOやUNICEF、UNHCRなど教科書で出てくるようなお仕事に就くこともあります。それに加え、国際系のコンサル会社に就職して残りの人生を海外で過ごしたりもできます。そして、その給料が高い事!笑。どこの薬局の給料がいいかな~?なんて、探しているのが可愛く感じるほどにです。因みに大学院を出れば外務省のJPO制度という国際機関へ入る推薦が受けられたりもします。興味のある方は検索してみて下さい。
⇒外務省 国際機関人事センター
青年海外協力隊に参加して感じたデメリット
デメリット1:専門知識を忘れる
薬剤師という職種だから、余計かもしれませんが薬の名前、作用機序、併用注意・禁忌などとりあえず忘れます。「途上国で支援してたんじゃないの?」と、思うかもしれませんが途上国に最先端の医療が用意されてたらそれは途上国とは呼びません。ということで、専門的な仕事をされている方。特に「技術」よりも「知識」が重視される職種の方はこのデメリットを感じることでしょう。
デメリット2:2歳老ける/2年日本に居ない
2年間を途上国で過ごすわけですから、当たり前ですが2年分老けます。会社の同期と比べると同じ年なのに2年分現場経験がないことになります。(もちろん、その分貴重な経験は積んでいるわけですが…)この2年の間に大切な人が亡くなる可能性だってあるわけです。祖父母や闘病中の友人など…。アジア圏ならともかく、アフリカや中南米に派遣されれば1日やそこらで帰ってこれる距離ではありません。そういうリスクは十分にあります。
デメリット3:お金がない…
協力隊ではざっと10万円ほどが毎月支給されます。普通に生活をしていれば使い切らず2年間で数十万円を貯蓄する猛者もいます。が、やはり日本で働いていた時の収入と比べると格段に下がるのが一般的でしょう。薬剤師4年目で750万円ほど稼いでいました。もし2年間、同じ給料だったと仮定すると1500万円-(10万円×24)=1260万円の差額です。もちろん2年間のうちに旅行をしたりすれば240万円では足りず貯蓄を切り崩すこととなります。やはり、帰国直後はお金がありませんでしたね。(アフリカの前はカナダ留学もしていましたし…w)
デメリット4:死ぬ可能性が日本より高い
日本よりは…やっぱ危険ですよね。銃声が聞こえた。足を撃たれた。車の事故で死にかけた。狂犬病かもしれない犬に噛まれた。マラリア汚染地域で蚊が沢山いる…言い出すとキリがありません。日本でも死ぬ可能性はあります。でも、やっぱり日本に居るよりは死ぬ可能性が高い。だからこそ、自己防衛するための知識や心構えが必要。軽率な行動さえしなければ大抵死にません。でも、日本にいる気持ちで「ちょっとだけ…」って言う気持ちが命の危機に直結します。もとまさは一応、遺書を残してモザンビークに旅立ちました。親も知らないでしょうが、一応友人に託して行きました。それぐらいの覚悟はしてました。
メリットとデメリットのまとめ
さて、最後はちょっとシリアスな内容でしたが、この2年間の経験を総じて言えば「行って良かっっっった!!」です。
辛い日も、苦しい日も、日本に帰りたいと思う日ももちろんありました。でも、行った事に後悔はありません。「来なければよかった…」なんて思った事はありません。1度きりの人生で何もチャレンジせずに死ぬなんてもったいなくないですか?
「やってみたいんだけど…」って言い訳を探すような恰好悪い大人になりたくない!それなら死んだ方がマシ!って思う極端なもとまさだからかもしれませんが、もし興味があるならやってみては?と、思います。相談乗ります。アドバイスします。背中押します。興味があれば気軽に連絡下さいね!